(4)平板構造材「プレリブ」12)
これは平板にあらかじめバルブプレート、フラットバー又はT形材を縦方向にすみ肉溶接したpre−ribbed plateであり、商品名を「プレリブ」と呼ばれている。
製作範囲は板厚2〜12mm、最大幅2m、長さ10m以下、リブの形式と本数やそのピッチ(220mm以上)を発注時に選定できるのが特徴である。3.1.6 大型広幅押出形材「πセクション」
船体外板と防撓材の溶接部近傍には、3.1.3(3)で触れたように‘やせ馬’と称するひずみを生じやすく、また、すみ肉溶接部は欠陥の原因となりやすいから極力少ないことが望ましい。これらの問題点に着目したのが前出の表3.9に製作範囲を示したπセクションであり、小組の手間も省けるから船体構造用に適している。防撓材2本を付けたものなので、その形状から「πセクション」と呼ばれており、後出の(4)で詳細を示すように幅600mmと500mmのものが市販されてい乱
πセクションは、防撓材の付け根が平坦で、従来の平板骨組構造方式の形状をそのまま押出形材としたものと、板の部分を可変厚として中央を薄くし、防撓材の付け根を増厚したものとの2種類がある。後者の場合、板の部分は防撓材の箇所で両端固定され、等分布荷重を受ける帯板とみなして設計したものである。
例えば、スパンb=30cm、設計水圧p=2.0kgf/cm2、A5083S−H112合金押出形材の許容応力を1,300kgf/cm2(125N/mm2)とする。固定端の板厚to及びスパン中央の板厚tmを?@板が等厚(to=tm=8.5mm)、?A両端テーパ付き(to=9mm、tm=6mm、固定端からのテーパ部長さr=30mm)、?B両端円弧付き(to=9.5mm,tm=6mm、固定端から円弧端までの長さr=30mm)の3条件を比較すると、曲げモーメント並びに応力分布は図3.14のようになる13)。3条件とも曲げモーメントの分布に大差はないが、防撓材の付け根にテーパ又は円弧を設け、その部分の応力とスパン中央の応力をほぼ等しくしたことによって、その重量が等厚の?@の場合よりも26%軽減される。
πセクション設計方法の詳細13)は省略するが、実用的な観点から?Aのテーパ付きが採用された。πセクション同士の幅方向溶接線となる位置は、押出技術の制約も考慮のうえ図3.14(b)において応力が0となる位置に極力近づけるようにし、幅600mmの場合には防撓材から75mm又は100mm(表3.9の記号Bm)、幅500mmでは60mmである。
(1)πセクションの標準化
πセクションの普及を図るため、「舶用アルミニウム合金押出形材」としてJIS規格原案を目標とした標準化案が日本船舶標準協会小型船委員会で作成14)された。その基本的な考え方は、
?@平板骨組構造方式の大部分は板厚6mm,6.5mm、7mm、7.5mm及び8mmなので、これらの平板と同等の強度を持つアルミニウム製造会社のπセクション(幅600mm)を取り上げた。5083合金の耐力は、従来の使用実績から13kgf/mm2(125N/mm2)とす。る
?A防榛材のピッチは300mmとし、高さを65mm,75mm、100mm及び125mmの4種類とする。
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